File #008 カシオの「ユニバーサルデザイン電卓」 NU-8-N (2005.3.28)


前々から気になりつつも、イマイチ購買意欲をそそらなかったのがこのカシオのユニバーサルデザイン電卓。

「ユニバーサルデザイン」とか「エルゴノミクス」っていう言葉を聞くと、そこに一抹の偽善性やうさんくささを感じてしまうんですね。マウスが手の形になじむようになっていたらそれはエルゴノミクス・デザインなんでしょうか?じゃあ、どうしてフルートのキーや、ギターの弦とかフレットとかピアノの鍵盤はまっすぐ並んでいるのかな?道具は必ずしも人間の体に沿った形や配列になっている必要なんてないんじゃないかな?と、思ってしまうのです。

確かに、マウスを手のくぼみに沿った形にしていたらほとんどの人には持ちやすいかも知れないけど、手に障害のある人や、左利きのにとっては苦痛でしかないかも知れない。誰かにとっての利益が誰かにとっての損害になるように、誰にとっても良いものというのはそうそうないのではないかと、そう思うのです。

そんな思いから、このカシオのユニバーサルデザイン電卓を見かけて気にはなっていたものの購入には至っていなかったのですが、思い切って一番安いのを買ってみました。カシオの「ユニバーサルデザイン」とは、「年齢、性別、国籍に関わらず、あらゆる人が使いやすい製品、施設、環境などのデザインのことです」と、パッケージに説明がしてあります。

確かにこの電卓、表示が大きく、キーも大きいです。グリップもスエードみたいなゴムみたいな感触で、持ちやすいです。

でも、上の写真でもわかるように、この電卓の数字は、3桁刻みにカンマを表示するタイプです。国によっては 1,000のことを、1.000 と書くところもあります。昔の日本では1,0000のように、4桁刻みのカンマでした。また演算に使うキーのうち、"+", "=" が下にあるのに、"/", "*", "-" が上に別れて配置されていて、とっさには使いにくいし、メモリー関係の機能も全くないのです。

つまりこの電卓、国別の事情はあんまり考慮していないし、使う人が上達する余地も全く残していないんですね。それに、今までの普遍的な電卓に慣れた人にとっては、キー配置が違いすぎてわかりにくくなっています。

正直なところ、私にはヨドバシカメラで600円くらいで売ってたシャープの税電卓 EL-250S の方がひとまわり小さくても使いやすかったです。

売価は1029円。

オススメ度1 ★☆☆☆☆ 私には優しくなかったです。

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